ドM

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「ドM」とは、マゾヒストの中でもドが付くほどマゾヒズムに満ちた人間のことである。主人公がドMである場合、あるいは攻略対象がそうである場合の二通りに分類される。必然的に調教や言葉責めなどのサディズムが伴う。

アイツに調教されるとドMな私は感じちゃう


「大丈夫?」はい、大丈夫ですよ!これぐらい任せといてください!前を歩く細い脚が止まり、心配そうに眉毛を曇らせた顔が振り向く。腕の中で存在感を示すカメラ機材を抱え直し、親指を立ててみせるが、舞先輩から不安の色が消えることはなかった。「やっぱり私も一緒に運ぼうか?」そんな!舞先輩に手伝わせるわけにはいかないですって!「でも辛そうだし…無理しない方がいいんじゃないかな?」穏やかに微笑み、汗だくの顔を覗き込んでくる。こんなにへばってるのに大丈夫だって言われても信じられるわけないか…情けない。全部俺一人で運ぶって言っておいてこの有様とは…

「こら、落ち込まないの。顔を上げて?」自分の不甲斐なさに肩を落とした瞬間、花のような甘い香りが鼻腔を擽る。気づいたときにはかわいらしい刺繍が施されたハンカチを額にあてがわれていた。肌に浮かんだ汗を優しく拭い取ってくれる。「私のことを考えて荷物を全部持ってくれるって言ったのはわかってるよ?その気持ちだけでとても嬉しかったんだから、途中で駄目でしたってなっても残念には思わないよ。むしろ、ここまで頑張ってくれてありがとう。ここからは私にも一緒に手伝わせて?」はい…月の光を思わっせるような美しい笑みに、顔が熱くなる。小さく首を傾げた拍子に、しなやかで艶やかな髪が肩を滑った。やっぱり素敵だ。俺、学生会に入ってよかった!

俺が通うこの御盥学園は自分で言うのもなんだけど、全国でもなかなかの偏差値を誇る有名校だ。目標は社会で通用する学生を輩出すること。それが理由かはわからないが、ここでは全ての行事運営が学生に任されてる。もちろん教師も手伝ってはくれるが、その意味合いは補佐の枠を出なかった。全てが学生主導…詳しく言えば全学生の代表者である学生会が取りまとめてた。「カメラって意外と重いんだね…」大丈夫ですか?「うん、大丈夫だよ。心配かけてごめんね?さっきと立場が逆転しちゃってるな…」その学生会の会長が、小脇に抱えるほどの大きさがあるビデオカメラを見つめて苦笑いを浮かべる。彼女が持ってるのはテレビのロケでも使われるようなしっかりしたカメラだ。なけなしの貯金で購入した俺の私物で、重量も結構ある。女の子の細腕にはきついかもしれない。

やっぱり機材は俺が持ちますよ。ここまで手伝ってくれたおかげで、ずいぶん体力も回復しましたし。「駄目。手伝うって一度言った以上は最後までやり遂げたいから」にっこりと笑い、きっぱりと拒否する。頑固だな。わかりました。だったらせめてこっちの三脚と交換しましょう。カメラを運ぶよりは楽だと思いますから。「ありがとう。本当だ。軽い!」カメラを受け取り三脚を渡すと、おどけるように上下に揺らす。そのとき、楽しそうに細められていた目が真ん丸になり、カメラを片手で持つ俺の腕に向けられた。どうしたんですか?「私が両手でやっと持ってたものを片手で持ってるから、やっぱり男の子なんだなって思って。頼りになりますな…」これぐらい男だったら誰でもできますよ。やばい、嬉しい!憧れの人に褒められたぞ!「そんな風に逞しい姿を見せられると、少しだけドキドキしちゃうかも」いまなんて…「なんでもない!それよりもほら、早く体育館に急ごう。昼休みの間に全校集会の準備をすまさないと」待ってくださいよ!赤くなった頬を隠すように踵を返した先輩を慌てて追いかけた。

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